タイトル(仮)
「光の歩み:パウロの航路」
― 初期教会の旅路を体験し、希望・信頼・愛をゲームとして学ぶアドベンチャーRPG
1. 企画概要
- ジャンル:物語主導アドベンチャーRPG+探索+対話パズル(非殺傷系)
- 対象:中高生〜大人。信仰の有無を問わず、歴史物語や倫理的選択を楽しみたい人
- プラットフォーム:PC/コンソール(Switch/PS/Xbox)+後発でモバイル簡易版
- プレイ時間:本編10〜15時間+周回要素
- レーティング想定:CERO B(暴力表現なし、差別・扇動なし)
2. 企画意図・学習目標
- 初期キリスト教の歴史的背景(1世紀ローマ世界・ディアスポラ都市)を偏りなく紹介
- 価値観(信仰=Faith/希望=Hope/愛=Charity)を、選択と結果で体験的に理解
- 実在地・史料に基づく考証のもと、**布教=説得ではなく「対話と理解」**を主眼に
3. コア体験(Game Pillars)
- 対話と調停:噂・誤解・利害が交差する街で、中立的に聞き取り、誠実に橋渡し
- 旅と共同体:船旅で各都市へ。資源(時間・食糧・寄付)と仲間の士気を管理
- 徳の選択:状況に応じて「信仰/希望/愛」を強化する行動を選ぶ(暴力回避)
- 史的没入:当時の市場、会堂、家屋教会、ローマ法廷、港湾などを探索し資料収集
4. ゲームループ
- 街に到着 → 情報収集(傾聴) → 対話パズル(調停/説得/証言の整合) → 共同体支援(施し/労働/手紙) → 船旅準備(資源管理) → 次の地へ
- 章ごとに手紙(Epistle)が解禁され、読了で小さな洞察ブースト(対話オプション解放)
5. メカニクス
- 徳メーター:Faith / Hope / Charity(数値でなく「状態」重視。偏らず三徳のバランスが良いと特殊イベント)
- 祈り(クールダウン制):混乱時に視点を整える。NPCの本心“キーワード”が一瞬だけ可視化
- 証言カード:聞き取った事実・比喩・譬えの断片。論理矛盾がない並べ方で対話パズルを解く
- 共同体ボード:困窮、病、孤立、迫害の度合いを可視化。資源配分で街の状態が改善しクエストが変化
- 非殺傷コンバット:逃走・隠密・法廷弁明・保証人立て等で危機回避(QTE最小)
6. 物語構成(例)
- プロローグ:ダマスコ(出会いと転機)
- 第1章:アンティオキア(多文化の街での誤解解消)
- 第2章:ピシディアのアンティオキア〜リストラ(迫害と連帯)
- 第3章:コリント(商人ギルドと信仰共同体の摩擦を調停)
- 第4章:エフェソス(職人組合と偶像問題、平和的収束)
- 最終章:ローマ(法と良心、希望の証言。エンディング分岐=三徳の在り方)
7. 美術・音響
- アート:温かい筆致のセミリアル。衣装・建築は史料参照、象徴表現はやさしく
- UI:巻物/羊皮紙モチーフ。徳メーターは三つの小さな灯火
- 音楽:弦・笛・竪琴+現代的サウンドスケープ。祈り時は環境音がやわらぐ
8. アクセシビリティ
- 朗読モード(本文読み上げ)、字幕・フォントサイズ調整、色弱配慮配色
- 難易度:ストーリーフォーカス/スタンダード/考証チャレンジ(史料クイズ追加)
9. リサーチと表現ガイドライン
- 宗派横断の監修委員会(神学・歴史・考古の3名以上)を設置
- 固有名詞・儀礼の描写は史料脚注に準拠、論争点は断定せず複数説を匂わせる
- 勧誘的・攻撃的表現は避ける。他宗教・文化への敬意を必須要件に
10. 進行・成長
- 徳の熟達で新しい対話フレーズ、比喩(譬え話)カードが解禁
- 街レベルが上がると共同体ボードの課題が高度化(教育、孤児支援、介護など)
11. マネタイズ
- 基本買い切り(DLCで「ガリラヤの物語集」「詩編黙想パック」など追加コンテンツ)
- 収益の一部を現実のチャリティに寄付する連動企画(透明性レポートをゲーム内掲示板で公開)
12. 競合・差別化
- 既存の宗教題材ゲームは説話紹介が中心。
→ 本作は**“非対立のデザイン”**(調停パズル×徳システム)で能動的体験を提供。
13. 技術スタック
- Unity(ユーザーの希望に合致):URP、Yamlローカライズ、Ink/Dialogue System、Timeline
- セーブはJSON+暗号化、PCとSwitchを初期ターゲット
- 字幕・スクリプトは外部CSVで管理し監修者が直接校正可能
14. 開発体制・期間(目安)
- チーム:10〜14名(Pd/PM1、リードデザ1、レベルデザ2、プログラマ3、美術3、UI/UX1、サウンド1、QA1、歴史/神学監修2)
- 期間:プリプロ3ヶ月/プロダクション10ヶ月/QA・ローカライズ3ヶ月(計16ヶ月)
- 概算:8,000万〜1.4億円規模(外注とキャスト有無で変動)
15. KPI / 品質目標
- ストーリー完走率60%以上、レビューで「尊重/配慮」に関する肯定的言及比率70%以上
- 学習要素:章末クイズ正答率の上昇、資料室閲覧率40%以上
16. リスクと対応
- 神学表現の誤解:監修フローと用語脚注で軽減
- 暴力の回避が地味化:対話パズルに“緊張の演出”(時間制限・人だかり・法廷)を導入
- 文化的感受性:外部レビュー(多宗教・無宗教含む)でプレイテスト
サンプルクエスト(第3章:コリント)
- 状況:商人ギルドが安息日の取引巡りで共同体を批判。街の不満が高まる
- 目的:両者の誤解を解き、市場規約の妥協案を提案
- 手順:
- 市場で聞き取り→証言カード「規約草案」「祭礼日」「巡礼需要」を入手
- 祈りでキーワード「家族」「信用」を取得
- 対話パズルで並べ替え:信用>祭礼日>需要調整
- 結果:ギルドは早朝市を追加、共同体は夕刻会合に変更→街ボード好転
代替案(スピンオフ)
A. 「たとえの箱庭(Parables Builder)」
- ジャンル:箱庭パズル+教育
- イエスのたとえ話を抽象化オブジェクトで組み、他者に伝わるかを評価
- マップ共有・評価でコミュニティ生成、学校向け教材モード有り
B. 「詩編の旋律」
- ジャンル:没入型音×言葉アドベンチャー
- 詩編のテキストを手掛かりに、風景・音景を“調律”して心情を可視化
- メンタルヘルス配慮の瞑想モード、読み上げ+多言語字幕
必要なら、この企画をピッチ用1枚/詳細GDD/予算&スケジュール表に分解してドキュメント化します。どの案を推したい? あるいは「現代日本舞台」「子ども向け」などの方向性も出せます。
