🔻 主な衰退の原因
1. スマホゲーム・ソーシャルゲームの台頭
- 2010年代以降、スマートフォン向けのソシャゲ(例:Fate/Grand Order、ブルーアーカイブ)が市場を急速に拡大。
- 無料で始められ、課金で収益を得るモデルが主流となり、従来のパッケージ型PCエロゲは売上が激減。
2. ユーザー層の高齢化と新規参入の減少
- 2000年代のエロゲブーム時代にプレイしていた層がそのまま年齢を重ね、若年層の参入が少ない。
- 新規ファンを獲得するマーケティングやジャンル刷新が進まず、固定ファン頼みの構造に。
3. 表現規制と倫理的圧力の強化
- 政治的・社会的にアダルト表現に対する目が厳しくなり、過激な内容を出しづらくなった。
- SteamやDMMなどのプラットフォームでも規制強化や販売制限があり、制作の自由度が下がる。
4. 制作コストの増加と売上の減少
- フルボイス、アニメーション、豪華な原画・シナリオなど、品質向上で開発費が増大。
- しかし、パッケージ版は売れなくなり、回収が難しくなる → 開発会社の倒産が相次ぐ。
5. ユーザーの性癖やニーズの細分化
- 需要が「NTR」「ロリ」「男の娘」「異種姦」など多様化し、大衆向け作品では満足されにくくなった。
- その結果、ニッチ特化の低予算同人ゲーに市場を奪われつつある。
🔁 現在の潮流と生き残り戦略
✅ DL販売・同人の台頭
- DLsiteやFANZAなどを通じたダウンロード販売が主流に。
- 小規模な個人・同人サークルが高コスパな作品を出しやすくなった(例:「対魔忍」「ドーナドーナ」など)。
✅ ジャンルの変化
- 従来の「純愛・学園モノ」よりも、「異世界×エロ」「ゲーム性×エロ(RPG、SLGなど)」へのシフト。
- ゲーム性を伴うことでSteamなどの一般プラットフォームでも一部販売が可能に。
✅ 海外市場の開拓
- 英語・中国語翻訳での海外展開。
- ただし、欧米では性表現に厳しい文化もあり、ローカライズの壁が大きい。
📉 代表的な衰退の事例
- âge(アージュ):「マブラヴ」シリーズで有名だが、近年は新作が出せず苦戦。
- minori(ミノリ):ビジュアルと演出で一世を風靡したが、2020年に解散。
- Nitro+:エロゲから一般作品(アニメやFGO)に移行し、エロゲ制作を事実上撤退。
🔮 今後どうなるか?
- 同人・個人開発+DL販売が中心となり、大手ブランドは減少。
- VRエロゲやAIエロゲのような新技術との融合で、新しい波が起きる可能性はあり。
- 一方で、完全復活は難しいという見方が一般的。ニッチな趣味市場として生き残っていく形になるでしょう。
